
ニュースなどでストーカー事件を目にすると、「こうはなるまい」と誰もが思います。
しかし、実際に自分が手痛い失恋をすると、「もしかしたら、私も、ああなっちゃうかも……」という恐怖が湧き起こることもあるのではないでしょうか?
というわけで、ここでは、
ストーカーが抱く「危険な愛情」と、「真の愛情」との違い
について解説します。
目次
ストーカーは皆ナルシスト?!
「ストーキング(stalking)」とは、人につきまとうことを言い、「ストーカー(stalker)」とは、“つきまとい行為をする人”のことです。
このストーカーの心理ですが、
まず、彼ら(彼女ら)は何よりもとにかく、
「自分が好きだ」という感情が優先していて、他のことは頭にありません。
という気持ちは一切なく、
と考えます。
つまりは、ナルシストなのです。
本来、「自分が好き」なのはいいことですが、ナルシストの場合は、深刻な劣等感が裏返しになって、自己陶酔に陥っています。
彼らは、相手に好かれる努力もしなければ、より自分を磨こうという努力もしません。
うまくいかないのは、ぜんぶ他人のせいなのです。
これで人間関係が、うまくいくわけがありません。
ストーカーにならないためには?
では、このようなナルシスト兼ストーカーにならないためには、どうすればいいのでしょうか?
彼ら(彼女ら)に、
「劣等感を持つのをやめましょう」
「自己陶酔するのをやめましょう」
「人に好かれるための努力をしましょう」
といっても、いまいちピンとこないはず。
なぜなら、その根源にある劣等感は、“無意識”の中に潜んでいるからです。
ですから、そのような“根本療法”はあきらめ、まずは、“対処療法”的なアプローチをするのがいいでしょう。
それはどのような方法かというと、
「自分はなぜ嫌われるのか?」を考えてもらう
のです。
「そんな単純なことでいいの?」と思われるかも知れません。
しかし、ストーカーになる人は、“そんな単純なこと”に、まったく考えが及ばないのです……。
そのように、自分がなぜ嫌われるのかを考えると、自然と、「つきまとうのはやめよう」という気持ちになってくるはずです。
人間関係においては、大なり小なり、必ずトラブルは起こるもの。
そんな時には、
と考える“努力”が必要です。
こうした努力なくしては、すべての人間関係、もちろん、恋愛関係も、うまくいくことはありません。
人の気持ちを汲み取る努力もせずに、
「自分を好きになれ! なってくれなきゃ許せない!」
などと一方向からしか、ものを考えないから、ストーカーになってしまうのです……。
「危険な愛情」と「真の愛情」の違い
ストーカーの抱く「危険な愛情」とは?
ストーカーが感じているのは、けっして、愛情なんかではありません。
本人は、愛情と勘違いしているかも知れませんが、その強い気持ちや、献身行為は、すべて、
と、自分に酔うため。
つまり、自分のためです。
相手の気持ちを分かろうと努力しないのですから、相手に届かないのは当たり前。
届いている実感がなくても、それでもやり続けるというのは、自分のため以外の何物でもありません……。
そして面白い(?)ことに、
ストーカーは内心、愛の本格的な成就を恐れています。
言い換えれば、
自分が愛した相手が、自分を放棄することを、無意識のうちに要求している
のです。
ストーカー達は、自分のことしか頭が回っていないため、自己満足がすべて。
他者を満足させることは(本心では)望んでいないので、
もし、相手が、
なんて言ってきたら、心の中の何かが崩れてしまうのです。
(逃げれば追う、追えば逃げる、野犬のようなものです。)
結局のところ、
ストーカーの「危険な愛情」は、本来、愛でも何でもありません。
あえて言うなら、単なる「独善的執着」に過ぎません。
「真の愛情」とは?
反対に、
「真の愛情」とは、
何の見返りも求めずに、相手を喜ばせたいと思うこと
です。
そして、この「真の愛情」を持つ人は、
自分が相手に対して、特別なことを何もしなくても、喜んでもらえることを知っています。
「ただ一緒にいるだけで楽しい」という気持ちがなければ、真の愛情というものは、成り立ちません。
(一緒にいるだけで、最低限、孤独を癒してあげることができます。)
そこには、「自己満足しよう」という独り善がりもないし、「これだけやったら、相手もこれだけ返してくれるだろう」という打算も一切ありません。
ただ、履き違えて欲しくないのは、
なんて思うのは、単なる思い上がりに過ぎません。
こんな人は、間違いなく、自分が何かを“してあげる”よりも、相手に“見返り”を求めるでしょう。
お互いが何の見返りも求めずに、
と、相手の気持ちを汲み取る努力をし、ささやかな贈り物を贈り合う関係が「真の愛情」というものです。
(これは、「お前の喜ぶのはこれだろ、どうだ、うれしいだろ!じゃあ、何かお返ししろ!」という気持ちとは真逆です。)
失恋の痛手から、ストーカーになってしまいそうなあなたへ
あなたと彼との恋が終わってしまったのは、おそらく、あなたが、彼の気持ちを汲み取る努力を怠ってしまったからでしょう。
そんなあなたが、もし、今、
と思っているのなら、
ちょっとキツイことを言うようですが、
いまだに、彼の気持ちを理解しようとしていないと言えます。
↓
自分がこれからやることは彼の嫌がることと分かっている
↓
彼を喜ばそうという気持ちが微塵もない!
ということですから。
失恋の経験は誰にでもあります。
問題はそれを、今後の人生にどう活かすかです。
時が経てば、とりあえず、傷は癒えるかも知れませんが、
なんていう安直な考えでは、また同じ失敗を繰り返すでしょう。
時によって傷は癒えても、時によって、問題は解決しません。
失恋自体は問題ではないのです。
問題は、あなた自身が変われるかどうかです。
どう変わるかと言えば、それは、
あなたが相手の気持ちを汲み取る努力ができるように変われるかどうか
です。