
「ナルシスト」と聞くと、多くの人は、ちびまる子ちゃんの“花輪君”をイメージしたり、“ナル男”などと言ったりして、ちょっと小馬鹿にするようなところがあります。
しかし女性の中には、なぜか、「ナルシストタイプの男性」しか好きにならないという人もいるようです。
ここでは、
実は相当ヤバい、ナルシスト男の正体
について、解説します。
(※正式には「ナルシシスト」なのですが、ここでは、より普及している「ナルシスト」で進めていきます。この呼称も一応、間違いではありません。)
目次
本当は劣等感でいっぱいのナルシスト
当サイトでは、
「自尊心を高め、自分を好きになって、悩みから脱出しよう」
というメッセージを打ち出していますが、それは、
「ナルシストになろう!」というのではまったくありません。
「ナルシスト」というのは、
「自己陶酔」しているのであって、
その裏側には、痛烈な自己不適感や自己蔑視、孤独への恐怖などが潜んでいます。
心の中が、いつも、
といった感じで、オロオロとうろたえているのです。
つまり、「自尊心が高い」のとは、真逆。
ナルシストは、
自分に自信がないことの裏返しとして、
自信満々に振る舞っているのです。
ただ、これは本人も気付いていません。
ですから、たとえ、指摘してあげても、本人は必ずといっていいほど、否定します。
本人の意識の上では、“優越感”でいっぱいなのですが、
“深刻な劣等感”は、その人の無意識の中に隠れているのです。
ナルシストの見分け方
ナルシストの見分け方は、簡単です。
ナルシストは、まず、褒められることへの異常な執着があります。
それも、ただ、「褒められたい!」という気持ちが強いだけでなく、「褒められないではいられない!」といった強迫性があるのです。
また、ちょっとの失敗で、大騒ぎしたり、ひどく落ち込んだりします。
この程度で済んでくれれば、まだ笑い話で済むのですが、
彼らの「自己陶酔」は「攻撃性」とセットになっており、
それが“外”に向かって暴発すれば、暴力を振るったり、
度が過ぎてしまうと、凄惨な事件すら起こしかねません。
ちなみに、そうした攻撃性が、“内”に向かって発露すれば、うつ病になってしまいます……。
ナルシストはなぜモテる?
なぜ、そんな危険なナルシストに、惹かれてしまう女性がいるのでしょうか?
実は、これは、ある意味、仕方ない部分もあります。
ナルシストは、愛を語る言葉だけは激しいのです。
激しいことを言って、その言葉に自分自身が酔っているのです。これは当然、その場限りで、“誠意”などありません。
どうしてそのように、激しい愛の言葉が言えるかというと、ナルシストは、愛の実態をまったく分かっていないのです。
つまり、
自分に自信がなく、無力感に悩んでいるナルシストほど、
「偽りの愛」と「本物の愛」を間違えてしまう
のです。
ですから、ここで、はっきり言いましょう。
いつもナルシストばかり好きになってしまうあなたは、少なくとも自分はナルシストではないと思っているかも知れません。
でも、おそらくは、あなたもきっと、ナルシストです。
彼の言う愛の言葉なんて、上っ面だけで、まったく誠意が感じられないわ。
本物の愛というのは、そんな軽いモノじゃないでしょ。
というふうに見抜けなかったということは、あなたのほうにも、彼の人間性を見る確かな目、つまり、“誠意”がなかったということ。
上で紹介したナルシストの見分け方を見て、少しピンときませんでしたか?
いつもナルシストばかり好きになってしまうあなたは、おそらく、
自己陶酔からくる攻撃性が、“内”に向かうタイプ
なのでしょう。
「過激な愛の言葉」は脅しと同じ
恋とは、ロマンチックなモノ。
でも、恋をきちんと実らせるためには、ロマンチックな夢にばかり浸っていてはいけません。
いくらあなたが生粋のロマンチストであっても、“現実は厳しい”ということを、ちゃんと知っているはず。
ですから、
男性や恋人の、あなたに対する「過激な愛の言葉」を真に受けないようにすべきです。
例えば、
とか、
とか、
などと言われたら、
逆に、その男性のことを疑ってかかったほうがいいでしょう。
「過激な愛の言葉」は、その裏に、
という攻撃性・暴力性も潜んでいるのです。
言わば、脅しと同じなのです。
こうした言葉は、シェークスピアの演劇の中だけで十分です。
人を見るときは、「言葉」ではなく、「行動」を見るようにしましょう。
(言葉だけでオチるのなら、歌詞のフレーズみたいなことさえ言えば、どんな男だってモテモテです。)
ナルシストは地球を滅ぼす?
ここまで、
という話をしてきましたが、
実は、現代のありとあらゆる凶悪事件の根源に、この「自己陶酔」が関係していると言われています。
ナルシストは、けっして花輪くんのように、無害で終わる人ばかりではありません。
ナルシストは、常に、自己の存在の希薄さに悩んでいます。
ですから、ちょっとのことで、急にカーッと逆上し、暴発してしまうこともあります。
これまで、事件になるような「攻撃性」の原因は、その人の「欲求不満」にあると考えられてきましたが、
最近では、真の原因は、「自己陶酔」にあることが分かってきています。
(前述のように、現代に多い、うつ病の原因もこれです。)
・自分を必要以上に大きく見せなくては気が済まない
・自分の存在が大きいと思い込まないとやってられない
……という危険な性分(攻撃性)は、
集団になると、それこそ「民族差別」や「戦争」のような大きな悲劇すら引き起こしかねません。
とてもとても、軽視で済ますことはできないのです。
ナルシストにならないためには?
当然、自分の身を守るために、ナルシストに近づかないことが大事ですが、それに加えて、あなた自身がナルシストにならないことも大事です。
ナルシストにはなっちゃダメでも、自分のことは好きになったほうがいいんでしょ?
……それって難しくない?
と思った人もいるでしょうが、ナルシストになるのを防ぎながら、自分を好きになることは、さほど難しいことではありません。
ほんのちょっとしたことから、ナルシストになるのを防ぐことができます。
それは、
自分に対する悪口を受け流す
ということです。
例えば、「馬鹿」とか「のろま」とかと言われても、いちいち反論しないようにすればいいでしょう。
言ってきた相手には、
「馬鹿だから教えて!」
「のろまだから、ゆっくり教えて!」
と返せばいいのです。
(おどけて、「馬鹿でゴメ〜ンね」なら、なおいいでしょう。)
自分に向けられた悪口や非難の言葉に対して、突っ張るから、
それに耐えられなくなった時に、ポキリと折れてしまう
のです。
ですから、柳の木のように、しなやかに受け流すのが一番。
たとえ一瞬、腹が立ったとしても、その怒りをスッと手放すことです。
だいたい、
なんていう言葉が、一番意味がありません。
許せないから、じゃあ、どうするというんでしょう。
「許せない!」と思いながら、事実は何も動かないのに、自分だけがその怒りの感情に苦しみ続けるだけです。
受け流すことが難しいなら、せめて、“聞き流す”ことから始めてみるといいでしょう。
そのように意識が変わってくると、“ナル男”には、もうけっして騙されないようになっているはずです。