俗に言う“恋愛ごっこ”には2種類あります。
ひとつは、「好きになったらゲームオーバー」といったつもりで、まがいものの恋愛をわざと楽しむパターン。
もうひとつは、「これが恋愛!」と思いながらも、それが単なるまがいものに過ぎないパターン。
ここでは、後者にスポットを当てて、
なぜあなたの恋愛はいつも恋愛ごっこに過ぎないのか?
について解説します。
「自分がない人」は“恋愛ごっこ”しかできない?!
何年も同じ屋根の下で暮らしていても、感情が通い合っていない人がいます。
そこから急に、違う生活が始まっても、少しも悲しまず、まったく平気。
また、これまで敵対していたはずの人と同じチームに入っても、眉ひとつ動かさず、前の人との関係は、何もなかったかのように、ごく自然に振る舞える人がいます。
……こういった人たちは、人間関係も、生活も、時の流れとともに、少しずつ積み重ねていく、ということがないのです。
“対応力”といった意味では、優れているのかも知れませんが、それはあくまでも皮肉。(笑)
要するに、
いつも、あっちへフラフラ、こっちへフラフラで、確固たる“自分”というものがないのです。
こういう人が恋をしても、恋愛の実感がまるでありません。
それは単に、
という恋を演じているだけです。
こういう人は、
「こんな時、人はこうするもの」とか、
「こういう時は、こう言えばいいのよね」とか、
「みんなこうやってるから、私もこうするの」
というふうに、行動や感情のすべてが、“自分”のものではありません。
そして、最大の望みは、自分が傷つかないこと。
いつだって、自分が傷つかないように、他人と正面切って接するということをしません。
ですから、
相手が思いやりのことをかけてきても、それを素直に受け取ることもできません。
逆に、自分を責めていると受け取ることも多々あります。
なぜなら、
というふうに思ってしまうからです。
(※ちなみに、無意識のうちに、相手に対し、自分の印象通りであって欲しいと願うこと、もしくはそのように“解釈”することを、心理学用語で「外化〈がいか〉」と言います。)
このように、「自分のない人(外化する人)」は、
いつも「現実の他人」とは接しておらず、
自分の「心の中にいる他人」と接しているに過ぎません。
だから、恋愛がいつも“恋愛ごっこ”に過ぎないのです……。
自分がなくて得することもある?
「自分がないこと」は、ある側面から見れば、けっして悪いことばかりではありません。
ビジネスで成功し、お金持ちになっている人もいれば、
すごく異性にモテている(ように見える)人もいます。
ですから、逆説的に言えば、
「お金持ちになりたければ、自分を持つことをやめよう」、
「とりあえず、モテたければ、自分を持つことをやめよう」
と言えなくもありません。
しかし、それは、
あまりにも生きている実感に乏しいから、ただ目の前のものを手に入れるために、躍起になっているだけ
なのです。
端から見れば、成功しているように見えても、本人は、絶えず、
という疑問を抱き続けています。
つまり、
自分のない人には、心の拠り所がないのです。
だから、「お金」や「付き合った人数」のような指標にしか頼るものがないのです……。
自分を持って正々堂々と生きるには?
ここまで見てきて、いかがでしょうか?
たとえ、生きている実感に乏しくても、
「自分のない人生」を選びたい!
と思いますか?
それとも、
自分を誤魔化すことなく、正々堂々と、
生きていきたい!
と思いますか?
もし、後者を選ばれるのなら、以下に、ちょっとだけアドバイスがあります。
人間関係に厚みを出す方法
「自分がない人」は、
あるいは、
といった思いを抱いていることと思います。
そんな時は、自分探究の旅に出るのもいいですが、すぐに取りかかれることもあります。
それは、今ある人間関係の厚みを出すことです。
それだけで、軽薄な人間関係を脱することができます。
すると次第に、自分に自信がつき、自分を表現することに対し、抵抗感がなくなってくるでしょう。
……では、その、
人間関係に厚みを出す方法とはどんな方法があるか?
それは、
はっきりとした自覚を持って、
⚫︎人を温かくする言葉
⚫︎人を明るくする言葉
⚫︎人を優しい気持ちにする言葉
しか、自分の口から出てこないようにすることです。
このような考え方を、『愛語(あいご)』といいます。
自分の言葉を贈り物できる人こそ、豊かな人です。
そして、そういう人の周りには、同じような人が集まってきます。
(もしくは、あなたの周りの人が変わっていくかも。)
いくら気持ちが優しくても、口に出さなければ、相手には伝わりません。
それに、言葉は、いくら出しても無尽蔵で、お金も一切かかりません。
ですから、今すぐにでも、始めることができます。
そうやっていつしか、
軽薄でない、厚みのある人間関係に囲まれた時、
あなたはもう、“恋愛ごっこ”などできない体になっているでしょう。