
よく、「人を好きになるのに理由はいらない」と言ったりしますが、本当は、ちゃんと理由があるものです。
ただ、それを本人が説明できないところに、好きという感情の“奥深さ”があります。
もっと言えば、本当に好きなのか、それとも単に好きと思い込んでいるだけなのかも、そう簡単に判別つくものではありません。
……ということを踏まえて、ここでは、
「すぐ人を好きになるけれど、すぐ冷める人」の心の中
について解説します。
暴力夫でも優しい??
ちょっとした例え話から、入っていきましょう。
例えば、
彼や夫から、たびたび暴力を受けているにもかかわらず、なかなか別れようとしない人がいます。
そんな人は、
などと言います。
はたから見ると、そんな彼が優しいわけがありません。
ではなぜ、本人は、暴力を受けながらも、そんな彼のことを優しいと言うのでしょう?
それは、相手を自分にとって都合よく解釈しているからです。
目の前の現実の相手を見ずに、相手が自分の理想通りであると思い込もうとする(思い込む)ことを、心理学用語で“外化(がいか)”と言います。
(ちなみに、相手も自分と同じだろうという見方をすることを「投影」と言います。)
なぜ、心理的に“外化”してしまうのかについては、
・現状の関係を崩したくない
・自分の間違いを認めたくない
・自分の願望を是が非でも叶えたい
など、いくつもの理由があるでしょう。
こうした“外化”は、一見、物事を前向きに捉えているにも見えますが、自分自身を騙しています。
冷静かつシンプルに考えれば、“優しい人”が暴力を振るうわけはありません。
そんなもの、誰だって分かります。
「すぐ好きになり、すぐ冷める人」の心理構造
さて、
前置きが長くなりましたが、
「すぐ人を好きになるけれど、すぐ冷める人」の心の中
というのは、要するに、こういうことです。↓
⬇︎
現実にはそのような人はいないから、すぐに冷める
……こうして見ると、誰もが「そりゃ、そうでしょ!」と思うでしょう。
しかし、ことはそれほど単純ではなく、問題はもう少し長引きます。
たとえ、相手に冷めた後でも、
といった思いは、簡単に捨て切れないのです。
自分を騙している人は、
「自分の本心」が見えていないのですから、
当然、「相手の本心」も見抜けません。
彼が、
みたいな“ズルイこと”を言ってきても、
と、またまた自分に都合よく考えてしまうのです……。
「僕に君はもったいない」なんてセリフは、別れの責任を相手になすりつけているようなものです。
言うなれば、「素晴らしすぎる君のほうに“問題”があるんだ」ということですから。
こんなことを言う彼が、優しいわけがないのです。
たとえ、すぐに冷めても、
冷めただけでは、まだ自分の心を取り戻したとは言えません。
そして、自分の心を取り戻さない限り、こうした“ドツボ”からは抜け出せないというわけです……。
なぜ、好きと思い込もうとしてしまうのか?
そもそもの発端として、
なぜ、(大した相手でもない彼を)好きと思い込もうとしてしまうのでしょうか?
それは、目の前の相手を好きになることによって、“自分が本来、目を向けるべき問題”から目を逸らそうとしたからです。
つまり、
恋愛することで、「寂しさ」や「自分と向き合うこと」から逃げようとしたといいのです。
よく、恋多き女性のことを「恋愛依存症」と言ったりしますが、好きでもないのに、別れられない(別れない)のは、「人間関係依存性」と言います。
こうした依存症というのは、
すべて、“何か”から逃げているのです。
やりきれない現実から逃げている人は、酒やアルコールやギャンブルに逃げて、それらの依存症になったり、
結婚生活に耐えかねている人は、仕事に逃げて、“仕事依存症”になったりするように、
あなたは、寂しさから逃げようとして、人間関係依存症になったのです。
(好きでもないのに交際するのは恋愛ではありません。)
相手のせいにせず、まずは、もっと自分と向かい合ってみましょう!
人間関係依存症の人の恋愛は、
すぐに始まり、すぐに冷めて、そのまま終焉を迎えることも多いですが、とてつもなく長く続くこともあります。
明らかに好きではないどころか、もはや相手を憎んでいるのに、それでも別れない恋人達が、実際に多くいます。
こうした人たちは、とりあえず、関係を持続することで、“愛”以外の“何か”を満たしているのです。
いかに関係がうまくいってなくとも、
恋人(夫)がいるという事実だったり、
ルックスのいい人と付き合っているという事実だったり、
家柄のいい人と付き合っているという事実だったり、
お金持ちの人と付き合っているという事実だったり、
身長の高い人と付き合っているという事実だったり
を保持することで、自分の“劣等感”を癒しているのです。
「すぐ人を好きになるけれど、すぐ冷める人」にしても、
「暴力夫を優しいと思っている女性」にしても、
「相手を憎みながらも関係を続けている人」にしても、
自分の“心の隙間”を相手によって埋めようといる限り、豊かな男女関係を築くことはできません。
したがって、
相手を変えれば、どうにかなるという問題でもありません。
でも、
でも、
でもなく、
あなたに必要なのは、
“誰に寄り掛からずとも、自分で自分のことを好きと言い切れる心”
なのです。
もし、
あなたに少しでも、人間関係依存症のふしがあると感じたら、ちょっと立ち止まって、
「自分と向き合う時間」が必要かも知れません……。
(現在、特定のパートーナーがいる場合は、それによって、関係が改善する可能性も大いにあります。)
→間違ったセックス観が恋愛のハードルを上げている【4タイプ】