概して、世間は、シングルマザーの恋愛に対して、あまり寛容ではありません。
よく聞かれる声としては、
・子供に悪影響を与える
・子供をほったらかしにするな
・自分の幸せより子供の幸せを優先しろ
といったもの。
しかし、子供を大事にし、子供の幸せを考えるのなら、むしろ、きちんと恋愛したほうがいいのです。
ここでは、
シングルマザーが恋愛することの難しさとその対処法
について解説します。
目次
恋愛が難しくなっているシングルマザー【2タイプ別対処法】
と感じているシングルマザーは、大きく2つに分かれます。
それは、
⚫︎子供のために自らストイックであろうとするシングルマザー
と、
⚫︎子供の“嫉妬心”が気になるシングルマザー
です。
では、それぞれの特徴と弊害、および対処法を紹介していきます。
①子供のために自らストイックであろうとするシングルマザー
このタイプは、
と意気込んでいます。
もともと、女性には、他人の面倒をみることで、自分の苦しみから逃げようとする傾向があるのですが、「子育て」は、まさに、その苦痛から逃げる手段として打ってつけ。
なぜなら、子供に集中していれば、再び愛を失う恐れに立ち向かわなくても済みますし、忙しくすればするほど、誰かと親しくなりたいとか、誰かを愛したいという気持ちも、抑えることができるからです。
しかしこれは、母親にとっても、子供にとっても、いいことではありません。
母親は当然、自分の人生から愛を閉め出すことになってしまいますし、子供は、そんな母親からの、ある種、“過剰な愛情”を、重荷に感じるようになります。
やがて、子供は、
お母さんは本当に幸せなのか? 幸せだったのか?
自分のために、身を粉にしてくれたお母さんに、本当に申し訳ない……。
といった気持ちになり、大人になっても、そのような後ろ暗さが抜けることはありません。
常に、他人を喜ばそうとして、必要以上の犠牲を払い、後悔を繰り返すような大人になってしまうでしょう。
しかしそれなら、まだ軽く済むほうで、
中には、後ろ暗さに耐えられず、母親を含め、他人を喜ばそうとするのとは“逆に”振り切れてしまう子供もいます。
つまり、非行に走る可能性もあるということです。
非行に走らずとも、自分の欲求や、自分自身を見失い、他人に流されやすい性格になってしまうことでしょう。
ちなみに、子供にかけられたこうした呪縛は、ちょっとやそっとでは解けません。
男の子なら、
と考えるようになり、
女の子なら、
と考えるようになり、いずれも、大人になった後の、人間関係や男女関係、ひいては生き方を難しくします。
生きることは楽しいと教えてあげるのも教育!
さて、対処法ですが、
このように、ストイック過ぎるシングルマザーは、何よりもまず、
子供と“向き合い過ぎる”ことをやめるべきでしょう。
前述のように、自分の苦しみから逃げるために子育てで誤魔化そうとしている自分に気づくべきです。
本来、親と子供の間には、親から子に向けた“無条件の愛”が必要です。
押し付けがましい、強迫めいた愛情ではなく、自然な愛情を親から受け取ることができれば、子供はその愛と引き換えに、義務感からではなく自発的に、親や他人に与えることを学んでいくでしょう。
という気持ちも分かります。
確かに、子供は、そう思っているかも知れません。
しかし、それは、両親が揃っている子供でも思うことです。
望んだら望んだだけ叶うというのもまた、教育上いいことではありません。
ですから親は、適切な限界を設定すべきです。
そこで、自分の欲求を犠牲にしてはいけません。
もちろん、時には、子供のために犠牲になることも必要です。
しかし、親が楽しそうに生きる後ろ姿を子供に見せてあげることもまた教育です。
②子供の“嫉妬心”が気になるシングルマザー
恋愛が難しくなっているシングルマザーのもう1つのタイプは、
と考えるタイプです。
しかし、独身に戻った母親は、むしろ、積極的に男性と付き合うべきです。
なぜなら、母親がずっと一人でいると、逆に、子供は、父親への思いを断ち切れないのです。
言うなれば、
といった感じです。
子供は、母親が男性と付き合ってこそ、「自分が父親を失ったという事実」にちゃんと向き合うことができます。
また、それによって、子供は、「自分が母親を助けなければならない!」というプレッシャーからも解放されます。
子供の心をケアしながら、新しい相手の存在と長所を強調する!
確かに、子供は、「母親は自分だけのものであって欲しい」と思っています。
そのため、シングルマザーは、子供の前では、新しい相手に対する愛情表現を控えて、嫉妬心をかき立てないように気遣うことが多いです。
しかしこれでは、
子供の目から見て、その男性の存在が、何やら“後ろめたい存在”のように見えてしまいます。
はっきり言ってしまえば、「母親を幸せにしてくれる人」のように見えないのです。
ですから、子供には、むしろ、新しい相手の存在をしっかりと開示し、その長所を強調したほうがいいでしょう。
それでも、どうしても、子供が新しい相手を疎ましがるなら、子供と2人だけの時間もちゃんと作ってあげましょう。
「対等に扱われている」ということが分かれば、嫉妬心は薄れていくでしょう。
……というか、そもそも論として、
子供が、新しい家族を嫌いがちなのは、その人のことが本当に嫌いなのではありません。
両親の離婚にまだ腹を立てていて、その怒りを新しい相手にぶつけているに過ぎません。
心の傷や怒りや、恐れが消えるまでは、相手が誰であっても好きにならないでしょう。
そんな時は、悲しみを十分に感じ取ってあげましょう。
子供は、少なからず、「両親の破綻を招いたのは自分のせいだ」と感じているでしょうから、そうではないということも、やんわりと伝えてあげる必要があります。
その際、「説得」しようとしてはいけません。
静かに寄り添い、「あなたの気持ちは十分わかるよ」という意思を丁寧に伝えるのみに留めるようにしましょう。
子供は一緒に悲しみを乗り越える“仲間”
――いかがだったでしょうか?
確かに、親には、子供をしっかりと育てあげる義務があり、責任があります。
いえ、幸せにする責任がある、と言ってもいいでしょう。
しかしながら、子供自身も、ひとつの人格を持った1人の人間です。
あなたの“モノ”でもなければ、
あなたが思い通りにできるわけでもないし、
あなたの心の慰みものにしていいはずがありません。
また、同じ人間であり、生き物である以上、「こうすれば必ずこう育つ」といった確固たる原則があるわけでもありません。
離婚によって、傷ついたのはお互い様であり、
子供はある意味、その悲しみを一緒に乗り越える仲間でもあります。
子供が幸せそうにしていると、
あなたも幸せな気持ちになるように、
あなたが幸せそうにしていると、
子供も幸せな気持ちになるはず。
あなたには、幸せに生きる価値があるのです。(そしてそれは子供のためでもあります。)
ぜひ、勇気を持って、新しい恋に踏み出し、あなたなりの幸せな人生を築いていきましょう。