異性から告白されても、うれしいと思わない人がいることを知っていますか?
「え〜っ!」と声をあげて驚く人もいる一方で、「分かる気がする……」と静かにうなずく人も意外と少なくないのではないでしょうか。
ここでは、
告白されても信じられない・うれしくない人の心理とその原因
について解説します。
目次
自己蔑視しているから受け入れられない
“告白されても信じられない人”の心の中はこんな風になっています。
私みたいなしょうもない人間を、あなたみたいな人が好きになってくれるはずがない。
こんな状況、絶対におかしい……。
“告白されてもうれしくない人”の心の中も似たような感じです。
いやいや、私、あなたが思うほど、素晴らしい人でも魅力的な人でも何でもないから……。
そんなに持ち上げるのやめてくれる?
いずれにしても、相手が自分に対して抱いてるであろう「素晴らしい人間像」に応えるだけの自信がないのです。
「自己蔑視している」と言い換えてもいいでしょう。
(※“蔑視〈べっし〉”とは、さげすみ、馬鹿にすること。)
自己蔑視していると、告白された時以外でも、とにかく恋愛においてトラブルが生じやすいです。
以下に、自己蔑視している人の恋愛トラブルを3例紹介しましょう。
自己蔑視している人の恋愛トラブル3例
① 勝手に嫌われたと解釈
彼がお葬式に参列したその日、「喪服で彼女に会うなんて気が引けるなぁ」と感じ、彼女とのデートを断りました。
すると自己蔑視している彼女は、こうした彼の一種の思いやりを「自分は嫌われているから断られたんだ」と解釈しました。
その後も彼女は、「あの時は彼に傷つけられた」と思い続け、結局このことは、2人の間に溝が生まれるきっかけとなってしまいました……。
② 言葉を前向きに受け取れない
彼が彼女を旅行に誘いましたが、彼女はあまりうれしそうな顔をしませんでした。
自己蔑視している彼女は、ここで承諾すると、軽い女だと思われると思ったのです。
ですが、彼にはこのことが理解できず、結局、彼のほうが傷つき、2人の間に亀裂を生じさせることになってしまいました……。
③ 相手の気持ちが分からなかった例
自己蔑視している彼女が、ある日、彼を傷つけるようなことを言ってしまい、その反省の意味を込めて、彼としばらく会わないことを決めました。
それは反省というより、「あんなことを言っておいて、よく平気でいられるな」と思われないようにするためでした。
しかし、実際のところ、彼はまったく傷ついてなどいませんでした。
ただ、彼のほうも自己蔑視しているタイプだったので、「彼女が自分に会いたがらないのは、自分が嫌われてしまったからだ」と勘違いしてしまい、結局、そのまま2人は破局することになってしまいました……。
自己蔑視している人は自己中心的?
上に挙げた、自己蔑視している人の恋愛トラブルの3例には、はっきりとした共通点があります。
それは、自分を守ることに精一杯で、相手をまったく理解できていないということ。
告白されても信じられない・うれしくないというのは、まさに自己蔑視している人の態度です。
これは見方によっては、堅実・謙虚・冷静のようにも見えなくもないですが、実際そこにあるのは、
自分はこんな風に思われないと気が済まない!
(それ以外は認めない!)
とか、
相手は私が思った通りに思っているに違いない!
(それ以外の可能性はない!)
といったような、極めて自己中心的なものの考え方です。
もっとはっきり言ってしまえば、告白されても信じられない・うれしくないというのは、堅実でも謙虚でも冷静でも何でもなく、ただ自己中心的なだけということです。
自己評価の高い人なら、同じ言葉であっても、相手の愛の深さを感じて喜ぶことができます。
しかし、自己蔑視をしている人は、それを素直に受け取れないどころか、相手の好意そして相手自身まで傷つけてしまうのです。
あなたが自己蔑視するようになった原因は?
では、そうした自己蔑視する気持ちは、どこからきたのでしょうか?
原因はほとんどの場合、その人の子供時代にあります。
人間は皆、無力で生まれてきます。
そのため、「自分はどのような人間であるか?」を正確に理解するためには、“他者の反応”が唯一の指針となります。
親が「愛する能力」を持っていれば、自分は愛される存在であると解釈することができます。
しかし反対に、親が「愛する能力」を持っていなかった場合には、自分は愛されない存在であると解釈するようになってしまいます。
“恩着せがましい親”も、後者に当たります。
日常的に親から、「お前のためにこんなに苦労している」とか「お前は何もできないからやってあげる」といった言葉を聞かされていると、子供は、
と思い込むようになっていきます。
これは、親自身が自己蔑視しており、子供から必要とされなくては自分の存在意義を確認できないために、このような態度を取るのですが、子供はこれによって自信を失っていってしまうのです。
極言すると、あなたがもし自己蔑視しているならば、それはある意味、“親譲り”である可能性が高いでしょう。
今からでも、いつからでも、あなたは変われる!
人間は、自分の親を選べません。
ですので、「愛する能力」を持っていない親の元に生まれた場合、自己蔑視するようになる運命から逃れることはできません。
何も対策を打たなければ、いつまでも自分を守ることに精一杯で、相手を理解できていない性格でいるため、恋を実らせることは難しいでしょう。
だからこそ、対策を打たねばなりません。
対策は大きく分けて、以下のように2つあります。
〈対策1〉自己蔑視していることに気づこう!
まずは、自己蔑視をしている自分に気付くことです。
弱い自分を自覚した上で、そこから、
と自己イメージを変えていくのです。
言わば、自覚することがスタートラインと言ってもいいでしょう。
〈対策2〉親とは違ったタイプの人と接しよう!
もうひとつは、自分の親と違ったタイプの人と接することを心掛けることです。
これは別に、「親と絶縁しなさい」ということではなく、生きる世界をもっと広く持つということです。
それまでの自分が見ていた日常が、この世のすべてだと思わずに、もっといろんな世界を見て、もっといろんな人と接して、自分の枠を広げるのです。
そうすると、あなたに対して否定的態度を取る人は、あなたが思ってたよりも全然少ない、ということが分かるでしょう。
自己イメージはあなたの心掛け次第で変えていくことができます。
(かんたんに言うと、自分の粗探しをしたり、可能性を否定するような人と接するのを減らし、代わりに自分を褒めてくれて、積極的に応援してくれる人と多く接するということです。)
これまでの親や周囲との関係に絶望する必要は、まったくありません。
また、憎む必要もありません。
あなたが変われば、周りの人も変わっていきます。
輝く未来や、ハッピーエンドは、あなた自身によって作るものです。