ここでは、そもそも占いとは何か?を考えるために、
まじない、予言、占いの違い
について解説していきます。
まじないとは?
まずは、『まじない』です。(「おまじない」と呼ばれることのほうが多いでしょうか?)
まじないとは、神仏その他神秘的なものの威力を借りて、災いを取り除いたり、起こしたりしようとする術のことを言います。
しかしこれは、“今の時代”に合わせた定義と言えるでしょう。
「まじない」とは、漢字で「呪(まじない)い」と書くように、本来は、特定の人物に“災い”が生ずるよう念ずることのことを言います。
総合すると、以下のようになるでしょうか。
緊張した時、「手の平に人という字を3回書いて飲む」というのは、“良い効果”を期待するおまじないですね。
一方、“悪い効果”を期待するまじないには、復讐や仕返しとして「五寸釘で木に藁人形を打ち付ける」といったものがあったりします。
(補足)「お祈り」と「お願い」について
『まじない』と似た言葉で、「お祈り」「お願い」といった言葉があります。
「お祈り」とは、特に見返りを求めず、ただ「こうありたい」と念じることで、結果は天にお任せするといった若干のラフさがあります。
一方、「お願い」とは、何らかの見返りを求めて、相手に要求することを言います。
こうして見ると、『まじない』と似ているのは、「お祈り」ではなく、「お願い」であると言えます。
といった感じです。
予言とは?
続いて、『予言』というのもありますが、これはどんなものでしょうか?
『予言』とは、未来の出来事や未知の事柄をあらかじめ言うこと、もしくはその言葉のことを言います。
『預言』と書くと、意味が大きく変わり、神の言葉を聞き、それを人に伝えることのことを言います。
つまり、「預」の字になると、宗教的に特別な力を持った人が「私が聞かせてもらった神様の言葉をみなさんにもお伝えしますよ」という意味になるわけです。
総合すると、以下のようになります。
予言にしても、預言にしても、『よげん』とは、“個人”ではなく、“社会”を見ているということがポイントです。
占いとは?
最後に、『占い』についてです。
『まじない』や『よげん』との違いを踏まえると、よりはっきりとその本質が見えてきます。
まず、辞書において『占い』とは、このように記されています。
『まじない』は、「このようになって欲しい」というような未来への何らかの作用を期待して行われるものでしたが、『占い』は、未来の結果について述べるのです。
ですから、『占い』は、たとえそれが当たろうが当たるまいが、ズバッと「断言する」というのがベースにあるというわけです。
また、“社会”を見る『よげん』と違って、『占い』は人が対象ですので、“個人”の未来を見るものであると言えます。
総合すると、以下のようになります。
場合によっては、かなり踏み込んだ内容まで断言する必要がありますから、占う側、占ってもらう側に一定の信用関係が必要です。
占いを受ける際は冷静な態度が不可欠!
3つを端的に比較すると、以下のようになります。
まじない | 何らかの効果を期待して特定の行動をとること |
よげん | “社会”の未来を見ること |
占い | “個人”の未来を見ること |
いずれも、「理想的な未来」を手に入れるための手段として使われるものです。
こうして見ていくと、その中でも、占いは、なかなか“きわどい性質”を持っていると言えるのではないでしょうか?
なぜなら、
⬇︎
そのためには、一定の信用関係が必要!
⬇︎
占いの性質上、相手に向けて断定する必要がある
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断定すると、外れた時のリスクが大きくなる
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でも、断定しなくては信用されない!
という、パラドクス(逆理)があるからです。
ですから、占い師は、相手から信用を得るためにさまざまな工夫をします。
相手の過去や性格を言い当てたように思わせるテクニックもそのひとつです。
占いを利用する際には、こうした点を十分理解した上で、利用する必要があります。
そうすれば、人は「備える」ことができます。
そして、「注意する」ことができます。
もちろん、「期待する」こともできます。
だからこそ、占いは冷静な態度で耳を傾け、自分のために正しく利用するべきなのです。
占いの言葉は、あくまでも参考意見として聞き、もしそれが受け入れ難い内容であったらならば、いったんは保留する、といった姿勢も大切。
保留するということは、冷静でいるための大事な方法のひとつです。
占いは、時に便利で、楽しく、役に立つものではありますが、いつだって運命の舵を切るのは“あなた自身”であることをお忘れなきように……。