常に、人の間(あいだ)で生きていくのが、『人間』です。
子供の頃は、両親やきょうだいと過ごして、人間関係を学び、大人になったら、パートナーや新たな家族と過ごして、やはり一生、人間関係を学び続けなくてはなりません。
言わば、パートナーは、あなたを磨き続けるための“砥石(といし)”と言ってもいいでしょう。
というわけで、ここでは、
パートナー(彼との)との良好な関係を保つための心構え
について解説します。
目次
パートナーと良好な関係を保つための4つの心構え
「パートナーは砥石である」
と申し上げましたが、どちらが一方的に、研ぐほうと、研がれるほうに分かれるわけではありません。
お互いに、磨き合い、研ぎ合う関係になっています。
不要な喧嘩や衝突を避けるためには、ゲームの攻略法のように、
「この言葉さえ言わなければいい」とか、
「これさえしておけば大丈夫」
みたいな、単純明快な答えなどありません。
何よりも、心構えが大切です。
以下に紹介する4つの心構えを持っておけば、喧嘩することもなく、また、たとえ喧嘩したとしても長期化せず、さりげなく仲直りすることができるでしょう。
①何でも白黒つけようとしない!
カップルが衝突するのは、だいたい、何かについてどちらが正しいかをハッキリさせようとする時です。
もちろん、間違った判断をすると生命の危険に陥るとか、そんな重要な問題も、ないことはないでしょう。
しかし、カップルの間に起こる問題のほとんどは、どちらが正しくても、あまり関係のない問題です。
そんなことでムキになってしまうのは、問題の本質よりも、
とか、
という自尊心の低さが影響しています。
要するに、余裕がないのです。
(自分に自信がないからこそ、その自信を証明したい!と思って、いちいちムキになるのです。)
些細なことで、彼と衝突してしまいそうになったら、
と自問するようにするといいでしょう。
②怒りを相手に向けない
あなたは、彼とはまったく関係のないところで、不愉快なことが起こったのに、その怒りを彼にぶつけていませんか?
人間は、心を許した相手には、つい愚痴や不満を漏らしがちです。
もちろん、話を聞いてもらい、あなたの気持ちを共有してもらうのは、悪いことではありません。
ですが、それ以上に、“よそでもらってきた不愉快さ”を、日頃、彼にぶつけていないか?を省みて欲しいのです。
そんなことを続けていると、そのうち彼は、あなたを慰めたり、助けたりする気持ちを失ってしまいます。
つまり、誰よりも大事な味方であるはずの存在を、自ら抹消してしまうことになるのです。
こんなもったいないことはありません。
怒りを感じた時には、何の関係もない相手に怒りをぶちまけるのではなく、「それを引き起こした問題」に、意識を向けるようにしましょう。
そうしなければ、問題が起こるたんびに、2人の関係が揺らぐことになります。
③相手が何を求め、何を欲しているかに耳を傾ける
誰だって、自分の意見に反対されるのはイヤです。
しかも、自分をよく分かってくれてるはずの存在(もしくは、そうあって欲しい存在)から、反対されると、悲しくなってしまうものです。
ですが、その反対意見が当たっているなと思ったら、素直に受け止めましょう。
とは言え、
と思ったら、自分の見解はさておき、まずは、彼のほうに具体的な説明を求めましょう。
自分の見解を話すのは、あくまでも後です。(この心構えが大事です。)
意見が衝突した時には、
・相手の言い分にじっくり耳を傾ける
・この衝突はお互いをより深く理解し合うチャンスだと考える
・少しくらいギクッとすることを言われても、すぐに言い返さない
・とにかく感情的にならない
ことが大事です。
あなたの意見や考え方に、異を唱えてこられても、それは何も、あなたの人格を攻撃してきたわけではありません。
彼の意見が納得できるなら、少しだけ自分を改善して、彼の願いを叶えてあげましょう。
④人前で相手に恥をかかせない
「自尊心の低い人」に限って、相手に対する自分の要望を通そうとする時、誰かを味方につけようとします。
例えば、わざわざ皆の前で、相手のイヤな部分を指摘する人には、そういう意図があります。
これは、相手に恥をかかせるだけで、かえって相手を望み通りに変えることは難しくなります。
おそらく、相手は意固地になって、“逆”の行動を取るでしょう。
相手のイヤな部分については、あくまでも2人で解決すべき問題です。
他人を巻き込む必要などありません。
これは何も難しく考えず、
と誓えばいいのです。
彼と2人きりで話し合う分には、彼は何も“恥をかく”ことはないわけですから。
恋愛は楽しいだけでなく、あなたを成長させてくれるもの
――いかがだったでしょうか?
『岡目八目(おかめはちもく)』という言葉がありますが、これは、囲碁を実際に打っている当事者よりも、ギャラリーのほうが冷静に戦局が見えている、という意味です。
人間関係や、恋人関係も、これとまったく同じことが言えます。
友人や知人の困りごとを聞いて、「なーんだ、そんなことか」と思ったことがない人はいないでしょう。
彼との関係を損なっていく原因は、いつも、大きな問題ではなく、小さな問題です。
「なに、その言い方?」とか、
「そこまで言う必要ないでしょ」とか、
「それは勝手過ぎるでしょ」
といった、ほんの些細なことが発端になっていたりします。
当然のことながら、
互いに「長所」を褒め合っていれば、愛情は深まっていきますし、
逆に、互いに「短所」を指摘し合ってばかりいたら、関係は崩れていきます。
たった一人で生きるのではなく、
人の間(あいだ)で生きるということは、まさに、
ひとつひとつの出来事で、折り合いをつけていく
ということです。
恋愛や結婚生活は、楽しいだけでなく、あなたを人として成長させてくれるのだと心得ましょう。
それさえ分かっていれば、喧嘩を防ぐことも、仲直りも何も難しいことはありません。