「結婚」と「出産」を女性の使命だと信じ、それを達成してしまった後は、セックスへの興味を失ってしまう女性がいます。
いえ、このような現象は、男性にも見られます。
そこには、それぞれどのような心理が働いているのでしょうか?
ここでは、
結婚後の“燃え尽き症候群”
について解説します。
目次
そこにある男女それぞれの心理
【女性】「もう役目は果たしたはず!」
結婚し、出産した後、セックスへの興味を失ってしまう女性の多くは、夫や子供を手に入れてしまうと、それで自分の任務は完了だと思っているのです。
もうセクシーに振る舞ったり、感じることもできなくなったわけではありませんが、それまでそれをしていたのは、それが男を手に入れる方法だったからです。
多くの人が誤解しがちなのですが、このようなタイプの女性は、男性の関心を惹きつけるために、セックス好きをよそおったり、オーガズムに達した“ふり”をする女性とは、またちょっと違います。
それまでだって、“ふり”はしていなかったのです。本当にセックスを楽しんでいたのです。
しかし、女性の役割は、夫や子供を手に入れるまでのことと信じているので、彼女たちにとっては、もうセックスの必要がないのです。
一方で、もともと本当にセックスが好きではなく、結婚し、子供を作るために我慢してきた、という女性もいるでしょう。
【男性】「これで世間体はOK!」
男性にも、結婚後、もしくは父親になると、セックスを楽しめなくなるケースは少なくありません。
夫になり、子供を作れば、とりあえずそこで、男として尊敬され、ノーマルだということが証明されると思っているのです。
また、家庭的な男になることが、“出世のパスポート”だと考える人もいます。
このような男性は、そうした目標を達成してしまうと、セックスへの関心は、しぼむか、完全に消滅してしまいます。
もちろん、中には、同性愛嗜好の人もいます。
彼らは無理して結婚し、子供を作るために自分を奮い立たせてきました。
でもいったん、目的のものを手に入れてしまえば、もう女性を相手にセックスをしようとは思わなくなるのです。
本人は問題意識を持っていない?!
こうした「結婚後の燃え尽き症候群」にかかっている人は、はっきりと、
さぁ、やるべきことは終わった!
自分はもうセックスのことなんか考えなくていいんだ!
と思っているわけではありません。
むしろ、問題があることさえ気づいていないことも、よくあります 。
ただ何となく、セックスのことを考えるとイライラし、できるだけセックスを避けようとするのです。
あるいは、次のように、理由を見つけて、自分自身を納得させている場合もあります。
このように、任務を達成し、燃え尽きたと思っている人間は、セックスをしたくないもっともな理由を見つけるのが上手なのです。
一番の問題は、2人の調和が崩れていること!
不幸なことに、どちらか一方だけが「結婚後の燃え尽き症候群」になってしまった場合には、また別の感情が生まれて、事態をより面倒にしていきます。
“まだ燃え尽きておらず、性欲を失っていない側”は、
すでに興味をなくしているパートナーにしつこく迫ったり、そしてそれが拒絶されることに、欲求不満や怒りを感じるでしょう。
相手の心の変化が理解できず、自分を責めたり、
と、不安になったりを繰り返すようにさえなります。
また、パートナーに対して、
と、疑ったり、嫉妬したりするかも知れません。
一方、
“もう燃え尽きてしまった側”は、
まだ欲望の火が消えていないパートナーに対して、苛立ちます。
と、いつも攻撃されているように感じ、怒りを感じてしまうでしょう。
しかしながら、
両方が燃え尽きてしまったカップルであれば、
比較的円満な夫婦生活を続けられます。
夫婦やカップルの問題といったものは、何かと2人の調和が崩れたときに起こるものです。
満ち足りたセックスライフを送るには?
性医学の権威と言われる、ハロルド・リーフ博士は、
自分の目標は達成されたと思い、セックスに対する欲望が尽きてしまった人は、その後も一生、欲望を抑制し続けます。
と言っています。
つまり、
どちらか一方だけが「結婚後の燃え尽き症候群」になってしまった場合には、もう一方は、以後も一生、欲求不満などの苦しみを抱えることになる
のです。
では、結婚後も、円満で満ち足りた幸せなセックスライフを送るには、どうしたらいいのでしょうか?
それは、自分を魅力的に見せようという努力を怠らないことです。
独身時代、“愛の狩人”だった2人の大切なゲームは、結婚すると同時に、終了します。
そして、ラブラブな期間が過ぎると、彼女は太り始めたり、彼のほうはお腹が出始めるかも知れません。
自分を魅力的に見せようという努力を怠るようになると、夫婦の間でのセックスへの関心も、次第に弱まっていくものです。
いつまでも満ち足りた性生活を送りたいなら、夫も妻も、いつまでも“狩り”をしていた時のように、異性を魅了するために自分を磨き続けるようにしなくてはなりません。
そうすれば、もっと多くの夫婦が、長きにわたってセックスを楽しめるようになるでしょう。