夫婦やカップルというのは、本人たちが意識していなくても、必ずその間に、“権力闘争”があるものです。
自分が家庭をコントロールしたいばっかりに、いばり散らす夫や、口やかましい妻は、その典型と言ってもいいでしょう。
そんな中、一般的には家庭の稼ぎ頭とされていない妻が、社会的に成功した時、夫はどんな心境になるのでしょうか?
ここでは、
男性が妻(彼女)の成功を素直に祝福したがらない理由
について解説します。
夫が祝福してくれないのはあなたに原因が?
男の側であれ、女の側であれ、明らかに“支配者タイプ”の人間の配偶者となった人は、付き合って間もない頃に、すでに相手に降伏し、従順で消極的な役割を受け入れてしまっています。
自分からコントロールされることを望んだり、最初から勝てないと感じて、降伏してしまうのです。
このようなカップルの場合だと、権力闘争が激化することは、ほとんどありません。
しかし、世の中には、常に権力闘争を繰り広げているカップルがいます。
いえ、むしろ、現代ではそのようなカップルのほうが多いかも知れません。
もし、あなたと彼がそのようなカップルであれば、彼が一方的に何かを決めたりすれば、あなたは「すぐ抗議しなければ!」と思うでしょう。
おそらく、あなたの思考は、以下のように推移していったはずです。
「彼は、私が彼ほど有能だとは信じていないんだわ!」
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「気に入らないわ! 私と彼とは互角なのに!」
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「いや、私は彼と互角というよりそれ以上かも!」
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「私がどれほど優れているか示さなきゃ!」
常に権力闘争を争い続けているカップルの場合、目の前にある些細な問題が、直接的な原因ではありません。
2人が衝突する本当の理由は、実はいつも同じです。
つまり、「自分のほうが偉いとパートナーに認めさせようとする気持ち」が衝突を生んでいるのです。
したがって、夫があなたの成功を心から祝福してくれない原因は、ある意味、あなた自身にもあると言えます。
2人が微妙な権力闘争をし続けている限りは、男が妻(彼女)の成功を、心から喜ぶことは難しいと言えるでしょう。
なお、こうした権力闘争は、“ベッドの中”でも繰り広げられます。
例えば、自分のほうが偉いんだと主張したがっている男性は、女性のほうから求めてきても、自分だけさっさとイッてしまったり、行為の最中にわざと相手の気持ちが冷めるような話題を持ち出したりするでしょう。
妻が成功した時の夫の心理
妻が成功し、妻のほうの収入が多くなると、「妻はもう自分など必要としていないのではないか?」とただ怯えてしまう男性もいれば、「どうせそんなのたいしたことじゃないんでしょ?」といったように強気の風を吹かせ、妻の仕事を軽視しようとしてくる男性もいます。
しかし、妻の態度いかんで、夫婦関係に波風を立てずに済ませることもできます。
それは、自分が成功しても今までと変わりなく尊敬の念を持ち続けることです。
そうすれば、夫婦の間に無駄な緊張が生まれることはありません。
とはいえ、男心としては、そう簡単に収まりがつくものでもありません。
妻に成功を見せつけられると、
「オレもあの時、あの契約が取れていれば……」
「あのプロジェクトが、もっとうまく実行できていれば……」
「あのタイミングで起業すべきだったかな……」
などと、夫はこれまでの自分の仕事上の失敗や取りこぼしをつい思い出してしまいます。
それはまるで、自分が改めて責め立てられているかのような鋭い痛みを伴います。
妻の気遣いがなければ(夫を見下すような態度で接すれば)、きっと夫は“怒り”を感じて落ち込むようになるでしょう。
因みに、ひとつ補足すると、結婚した(付き合いだした)時点ですでに妻のほうが成功していた場合には、その後、カップル間の権力闘争において新たな問題が生じることは、まずありません。
(権力闘争以外で問題が生じる可能性はありますが……。)
男にとって仕事は命!
権力闘争がどうあれ、
と思う人もいるかも知れません。
ですが、男性は昔から自分の価値を仕事で決めるように教え込まれています。
「仕事での成功」と「男らしさ」を混同し、以下のように考えてしまうのです。
「仕事で成功すれば、男としても成功したことになる!」
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「仕事で成功できないと、男としても負けたことになる!」
この世の中、「男らしさ」の定義のどこを探しても、「私生活で成功することが大切だ」なんて書いてないのです。
それくらい、男にとって仕事は命なのです。
だからこそ、自分の仕事における野心がほとんど満たされていない状態で、妻の派手な成功を目にすると、自分の惨めさが身に染みてしまうのです……。
夫との権力闘争を終結させる方法とは?
では、女性が成功すると男性との関係にひびが入ってしまうことはどうやったって避けられないのでしょうか?
上に挙げたように、自分が成功しても今までと変わりなく尊敬の念を持ち続けることは基本として、もう少し具体的で効果的な方法をお教えしましょう。
それは、
家の中でしなければならないことを夫婦で出し合って、リストを作り、それを公平に分ける
……具体的過ぎて、まるでどこかの家庭の一例のようですが、これが間違いなくベストの方法です。
どのように仕事を振り分けるかは、それぞれの“得意なこと”を考慮して決めなければなりません。
例えば、子供の算数を見てやるのは、夫のほうが得意なのに、妻の仕事にするのはナンセンス。
夕食はどこで何を食べよう、とか、一緒に見る映画やテレビ番組の選択などは、交互にすべきです。
その他の細かい仕事も公平に分けていき、責任分担を明確にしましょう。
こうしていくうちに、夫婦(カップル)という共同体が、どのように機能しているかが、客観的に見えるようになります。
そうして、2人がれっきとした“運命共同体”であるということがきっちり認識できるようになれば、2人の間の権力闘争は鳴りを潜め、パートナーを尊敬するようになり、きっと互いの成功を素直に喜び合えるようになるでしょう。