占いはよく超常現象、霊的世界、霊的能力などと一緒くたにされて語られます。
しかし何も「占いを利用すること」=「超常現象を信じること」ではありません。
ここでは、
“目に見えない世界”(いわゆるスピリチュアルの世界)との接し方
について解説します。
(※「スピリチュアル」とはもともとキリスト教用語で、霊的であることや、霊魂に関することを指す言葉です。)
気にしすぎて振り回されてはダメ!
先に、私の個人的な見解を述べておきます。
「目に見えない世界」は、間違いなくあると思っています。
「霊能力」も、ある人にはあるのだと思っています。
しかしそれが単なる思い込みなのか本当の力なのかは、誰にも判定できないと思っています。
その上で、いつも心に置いている結論は、
『自分の目に見えないこと』や『自分がどうすることもできないこと』に対しては気にし過ぎる必要はない
ということです。
例えば、霊視によって未来の自分の姿を見てもらったとします。
そしてそれが、理想の姿だったとします。
そんな時、誰だって喜ぶのは当然でしょうけど、そこで努力することをやめてしまっては、その理想の姿になれるはずもありません。
それが霊能力だったにせよ、占いの技術であったにせよ、未来の姿を見通してもらうことは、それによって楽ができるということではありません。
「努力」はするのです。
未来の姿を見通してもらったとしても、その未来には“自分の力で”たどり着かなくてはいけません。
これはつまり、「未来は変えらる」ということになりますし、霊視や占いがすべててなのではなく、「あくまでも“主導権”は自分にある」ということになります。
ですから、“目に見えない世界”があったとしてもなかったとしても、先を見通す霊能力を持っている人がいたとしてもいないとしても、結局、自分次第、受け取り方次第なのです。
それをどう利用するか、活用するか、ということですね。
占いは、不安を軽くし前進する力を得るためにあります。
反対になってしまったら、元も子もありません……。
いつだって違う見方は必ず存在する!
世の中には、科学では解明されていない不思議なことがたくさんあります。
目に見えない世界が果たして本当にあるのかないのか、そこに答えを出すことが大事ではないのです。
例えば、自分の身に起きた不幸な出来事を、悪霊のせいにするのは簡単です。
悪霊のせいにさえしてしまえば、自分の責任はなくなりますからね。
しかしだからと言って、そんな“ある意味、自分に都合のいいこと”を言ってくれる占い師に、喜んで多額のお金を払ってはいけません。
確かに、世の中には不思議なこともありますが、その一方で、「事が起きるのには必ず理由がある」という合理的な考え方は捨てないでください。
例えば、たびたび、悪霊のせいだとされる“金縛り”だって、その人たちの生活習慣をよくよく調べると、
- 寝つきが悪く、夜中によく目覚める人
- 睡眠のリズムが不安定で、よく居眠りをする人
- 睡眠時間が足りないと感じている人
だったりします。
規則正しい生活で睡眠不足を解消したり、仰向けより横向きになって、筋肉を少し緊張させて眠るようにすれば、金縛りなんてものは、ある程度避けられるのです。
どの考え方が正しい、というのではなくて、
自分とは違う「見方」や「考え方」も存在する!
ということを、常に認識しておくことによって、あらゆることに対して冷静に対処できるようになります。
どうしても霊が怖いですか?
どうしても霊が怖いという方には、こんなお話を紹介しましょう。
江戸時代の書物『葉隠(はがくれ)』にこんな逸話が出てきます。
鍋島藩の殿様が、不義密通(いわゆる不倫)をした男女を手打ちにしたら、彼らが夜な夜な幽霊になって出てくるようになりました。
これでは藩内の人たちも怖くて外を出歩けません。
祈祷師を読んでお払いをしてもらいましたが、それでも霊はなかなか退散しません。
困り果てた家来たちは、殿さまのところへ相談に行きました。
すると殿様は、笑い飛ばしてこう言いました。
「あの2人は殺しても殺しても飽き足りぬほど憎き奴らであった。それが成仏できずに幽霊としてさまよっているとは多いに結構な話ではないか。ハッハッハ、よかったよかった、いつまでもいつまでも幽霊のままで成仏しないでおればよい」
そうしたら、その翌日から幽霊は出なくなったということです。
……このお話を通してお伝えしたいことは、結局、霊とか幽霊とかいうのはその程度のものだと見ておけばいいということです。
頭では判断できない不思議な話によって、あなたに新たな気付きや視点を与えてくれたなら、そこは上手に活用したらいいのです。
しかし翻弄されてはいけません。
普通の生活にしっかりと向き合う覚悟のない人ほど、目に見えない世界に、責任を転嫁したがるものです。
霊は「思念」だけ、あなたには「思念」もあれば「肉体」もあります。
どうぞ、自信を持ってください。
未来は、あなたのその手で、あなた自身がつくるのです。