大きな失敗や、失恋などの記憶に、ずっと縛られている人がいます。
そんな時、平凡なアドバイスなら、「そんなこと忘れちゃいなさい!」で終わりでしょう。
しかし実は、過去の苦痛から癒されるには、存分にその時のことを思い出したほうがいいのです。
ここでは、
過去の苦痛から癒されるための3ステップ
について解説します。
目次
その苦痛のルーツはあなたの過去にある!
あなたに何か辛い記憶があり、何かをするにあたって、いつもその記憶が邪魔をする、または不安を強く掻き立てる、という時、
と、他人から言われたり、
もしくは、
と、自分で自分に言い聞かせることは、つまり、
感情を抑圧する
ということです。
怒りや悲しみといった感情を、いつも抑えつけ、そういったことに慣れてしまうと、心はいつしか“不感症”になってしまい、
・愛
・知恵
・他人を受け入れる受容性
・新しいものを生み出す創造性
といった精神的豊かさを失ってしまいます。
感情は、抑圧してはいけません。
辛い時には、何がどれだけ辛いのか、
悲しい時には、何がどれだけ悲しいのか、
嬉しい時には、何がどれだけ嬉しいのか、
楽しい時には、何がどれだけ楽しいのか
しっかりその気持ちに向き合うことが大切です。
とりわけ、ネガティブな感情に捉われて、その苦しみから解放されたいという場合には、かえってその苦しみから逃げないほうが、早く解放されることができます。
実は、あなたの激しい感情のほとんどは、
あなたの過去に由来しています。
つまり、「現在の苦痛」は「過去の癒されていない苦痛」がルーツとなっているわけです。
ですから、
「現在の苦痛」から解放されるには、
「いまだに引きずり続けている過去の苦痛」を処理するのが、
一番の近道。
心の痛みを無視したり抑えつけたりせずに、そのルーツとなっている過去を炙り出し、処理する作業こそ、これからご紹介する過去の苦痛を癒す3ステップです。
過去の苦痛を癒す3ステップ
3ステップは、おおよそ、次のように進んでいきます。
過去の似たような記憶をとにかく思い出す!
⬇︎
【第2ステップ】
その記憶をもっともっとよく思い出す!
⬇︎
【第3ステップ】
その記憶を今の知見で分析する!
では、細かく説明していきましょう。
【第1ステップ】
過去を思い出すためには、例えば、心の落ち着くBGMをかけて、自分に質問してみましょう。
と。
この時、別に正解はありません。
辛い記憶ではなく、楽しい記憶が思い出された時にも、そのままその記憶を丁寧になぞっていってください。
必ず、楽しさの裏には怖さがあったり、感謝の中にはちょっとした恨みが混ざっていたりするものです。
辛い思い出が何となく見つかったら、それを“利用する”ことにします。
【第2ステップ】
辛い思い出に気づいたら、今度は、それをできるだけありありと思い出し、心の中で“追体験”します。
細かい部分を意地でも思い出そうとしたり、視覚化しようとまでしなくても大丈夫。
という思いに浸ることができたら、ひとまずよしとします。
【第3ステップ】
最後の第3ステップでは、思い出した辛い思い出を、現在のあなたの立場で分析してみてください。
それはちょうど、「階段の上」から、「下の段」を見下ろすような感じです。
するとその時の、
・不要な思い込み、勘違い
・持っていなかった知識
・配慮していなかった事情
・自分の人間性の未熟さ、至らなさ
などに気づくことでしょう。
そうしたら、あなたはきっと、
・許し
・理解
・感謝
・信頼
といった4つの癒しの感情に包まれ、「現在の苦痛」から解放されるはずです。
子供の頃に失ったものを取り戻そう!
前述したように、辛い感情を無理矢理抑えて、一時的な安らぎを求めてしまうと、その後ずっと、抑圧の症状に苦しみことに続けることになります。
よくよく考えてみてください。
あなたは子供の頃、いや、赤ちゃんの頃、自分の感情を抑えつけることなどあったでしょうか?
抑えつけるどころか、ちょっとしたことで、何かと感情を爆発させていたはずです。
そんな子供や赤ちゃんだった頃、あなたは、
・自分を許すこと
・自分の要求をはっきりと伝えること
・人に助けを求めること
・変えようのないことを受け入れること
・自分の価値を認めて他人を尊重すること
などが、ちゃんとできていたはず。
これらはすべて、
あなたが大人になるにしたがって、既成概念や世間体に縛られ、失ってしまった技術
と言えます。
上に紹介した過去の苦痛を癒す3ステップは、言うなれば、これを意識して取り戻そうとする方法です。
繰り返して訓練を積めば、これらを習得でき、さらには、心がけ次第で、この技術を伸ばすことができるということにも気づくでしょう。
(おまけ)誰かに気持ちを打ち明けたい場合は…
この3ステップを行うにあたって、第三者に気持ちを打ち明けることも助けになります。
しかし、気をつけなくてはならないのは、アドバイスをされ過ぎると、自分の本当の感情が掴めなくなってしまうということです。
過去の苦しみを感じるには、安心できる環境がなければなりません。
自分の苦痛を大したことがないと思われたり、批判されたり、攻撃材料にされたりすれば、かえって、苦痛は深まりかねません。