男が女の外見ばかり評価することに、反感を抱いている女性は多いもの。
それは、美しさに自信がある人だって同じ。
ここでは、
男が外見を重視する理由と、
女性が持つ「美」に対する強迫観念
について解説します。
目次
なぜ男は女の外見を重視するのか?
男は子孫を残すために若い女を選ぶ
人が人を見る時、外見を重視するのが浅はかで、中身を重視するのが高尚、ということはありません。
男も女も生き物である以上、性格や考え方の前に、本能があります。
男が若い女に飛びつきたがるのは、自分の遺伝子を次世代に残す上で都合が良いからです。
けっして浅はかなわけでも、下品なわけでもありません。
でもそう聞くと、「だったら、顔の美醜は関係ないんじゃない?」という声もあるでしょう。
実はその通りなんです。
若くて子供がたくさん産めそうな女性であれば、男性の本能の欲求は満たせます。
本来、顔の美醜は関係ないはずなんです。
男は美女を連れて自分の「資源」を誇示したい
なぜ男は女の外見を重視するのかを説明する前に、ここでいったん、女が男を選ぶ基準について触れておきましょう。
女性は、男性を選ぶ際、その本能から、男が「資源」を持っているどうか?を見る傾向があります。
「資源」とは、名声、権力、財力のこと。
これらを多く備えている男のほうが、安定して自分と子供を養ってくれる可能性が高いからです。
これは本能ですから、男女ともこのような“共通認識”を持っています。
もう一度、話を戻しましょう。
つまるところ、男が女の外見を重視するのは、自分に「資源」があることを世間にアピールできるからです。
とびきりの美女を連れて歩けば、自分が「女に豊かな資源を与えられる男」であることを世間に誇示できるというわけです。
極端に言えば、自分のパートナーが美女であることも、男にとっては、高価な美術品や、スポーツカーや、金の腕時計といった、自分の資源を誇示するためのアイテムのひとつなのです。
実際、国に関係なく、外見がよくない女性をパートナーにした男性は、社会的地位が下がる、という調査結果もあるようです。
ちなみに、なぜか女性のほうは、外見がよくない男性を連れていても、評価は下がりません。
どんな顔をしていてもそれが「資源」のある男であれば、女の評価は上がるのです。
いずれにしても、男は「外見」で女を選び、女は「資源」で男を選ぶ……これは性格や考え方以前に、生き物としての“本能”であることを覚えておきましょう。
女性は外見を褒められても嬉しくない
「美」を求める女性たちの虚しさ
しかし、いくら本能だとは言っても、現代においては、やはり少し行き過ぎている部分もあります。
それは、普段、男が、テレビ・映画・グラビアなどで、現実にはそういないタイプの理想の女性ばかり目にするようになっているからです。
そうした、世に氾濫する“完璧な女性のイメージ”は、男性を過度に視覚重視にさせるだけでなく、女性たちの競争心もかきたてる結果になっています。
そして、その競争心は、この消費社会においては、企業(ビジネス)にも利用されています。
「男の目を引くためにもっと綺麗になりましょう!」と女性たちを煽り、服飾品、化粧品、美容整形といった業界がさまざま手段を売り込んでいるのです。
そんな日常生活の中で、現代の女性たちは、「女って綺麗じゃないと価値がないのかしら?」といった強迫観念に縛られるようになってしまいました。
さらに、この強迫観念は、女性たちの心にぽっかりと空白を生む結果となっています。
女性たちは、
といった虚しさを感じずにはいられなくなったのです。
まとめると、美しさを求める女性たちの虚しさは、以下のような流れで生まれています。
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メディアが完璧な女性のイメージでさらに煽る
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女性の競争心がかきたてられる
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美容業界が女性に商品を売り込む
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見事、綺麗になる女性たち
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「ちょっと待って! 私の内面、見てくれてる?」
実に世知辛い時代です……。
女が求めるのは安定的な共同生活
もともと美人であったにせよ、頑張って美しくなったにせよ、そもそも女性自身は、男性ほど外見を重視しないので、男性から、
とだけ言われても、うれしいはずがありません。
男は「彼女の美しさを褒めたから彼女は喜ぶはずだ」と勘違いしていますが、前述のように、女が本能的に男に求めるのは、「資源」であり、安定的に共同生活を送るための「一途な愛」です。
では、女性の本能にも、自尊心にも響かないのは、当然のことです。
男は視覚優先の生き物だと割り切ろう
女性としては、あまり気のない男から美しさを褒められた時は、ただ
とだけ言っておけばいいでしょう。
ムッとまでしちゃうと、その美しさがもったいないです。
男は女と違って視覚優先の生き物なので、悪気もなくこんなことが言えてしまうのです。
もちろん、このことを逆手に取って利用することだってできます。
いつもミニスカートを履き、胸の大きく開いたシャツを着て、ばっちりメイクを決めれば、“遊び相手”には困らないでしょう。
ただし、あくまでも、つかのまの関係だということを忘れずに……。
「美しい」という言葉の本来の意味
最後にひとつ、興味深い話を紹介しましょう。
女性のうつ病患者には、名前に「美」という字がつく女性が多い傾向があるのだそうです。
これもおそらく、「美しいと言われたい」、「美しいと思われたい」、「美人ではないと言われるのが嫌だ」という、「美」に対する強迫観念が影響しているのでしょう。
しかしこれは、「美」の字の本来の意味を知らないからかも知れません。
「美」という字は、「羊」が「大きい」と書きます。
羊の群れというのは、狼などに襲われると、必ず一番大きな羊が出てきて、自分が犠牲になるもの。
狼とて、一番大きな羊が食べられるのですから、他の羊を追うことはしないのです。
つまり、「美」という字は、“外見の美しさ”を表したものではなく、“自己犠牲の心”を表したものなのです。
このように、“美しい”という言葉の意味をきちんと正しく理解をしておけば、生きるのが苦しくなくなるし、人の目が気にならなくなるかも知れません。
群れを救う「大」きな「羊」のように、いかに自分を主張しないで、自分のわがままを少なくして、喜ばれる存在になるか、というのを考えるのが、“美しさ”の基本。
あまりにも外見で評価されようとし過ぎてしまうと、かえって内面が美しくなくなってしまうかも知れません……。