・組織内にどうしても折り合いの悪い人がいる
・仲良くすべき人と仲良くできない
・なぜか特定の人からいつも意地悪を受ける
などといった、人間関係の悩みを抱えている人は少なくありません。
「なぜあの人は、あんななんだろう?」と心の中でつぶやいてみても、実際にそれを突き詰めて検証する人はあまりいないでしょう。
しかしこの際、あの“嫌な人”のことをしっかり考えてみませんか?
というわけで、ここでは、
“嫌な人”が嫌な理由とその対処法
について解説していきます。
“嫌な人”はどうして嫌なのか?
自分に似ていないから“嫌な人”!
今、あなたには、“嫌な人”がいますね?
でも誰かから
と聞かれても、ハッキリとは答えられないのではないでしょうか?
実は、人が人を、好きになるのも、嫌いになるのも、すべて、『その人が自分に似ているかどうか?』が基準になっています。
そして、好き・嫌いといった感覚は、その人の“潜在意識”が大きく影響しているので、理由がハッキリ答えられないのは、ある意味では当たり前なのです。
もっと言うと、人は必ず、「自分に似ている人」を好きになります。
なぜなら、人は、自分のいいところを、自分で褒めることはできないからです。
「自分と似ている人」のことを好きになることで、自分を肯定しようとするのです。
人は、自分のことを好きになろうとする“本能”があります。
もちろん、「自分のことが嫌い」という人もいますが、それは、「現状の自分」と「理想の自分」との落差を嘆いているだけです。
したがって、“嫌な人問題”を乗り越えるには、次のような解決策が考えられます。
ということは……
嫌な人に好かれるには、自分をその人に寄せればいい!
もう自分にとって“嫌な人”ではなくなる!
……これで一件落着ではないでしょうか。
んなわけありませんね。
あなたの考えていることは分かります。
という気持ちでしょう。
自分と似ているけどやっぱり“嫌な人”!
では今度は、もう少し別の角度から見てみましょう。
「人は自分に似ている人のことが好き」
ということは、
「自分と似ていない人(まったく違う人)は嫌い」
となるのでしょうか?
……これがちょっと違うのです。
「もっと自分を肯定したい」、「もっと自分を好きになりたい」といった気持ちとともに、人には“向上心”があります。
そこには、以下のような3つの指標があります。
ここでいう“向上心”とは、「未熟な自分」は過去へ消え、もっともっと「理想の自分」になっていくんだ、という気持ちですね。
(向上心の度合いには個人差がありますが、「向上」とは反対の「没落」を望む人はいません。)
これに、好き・嫌いを当てはめると、以下のようになります。
つまり、“自分と似ているけど嫌な人”が存在するのは、
自分にとって、自信が持てない部分だったり、未熟だと感じている部分を、まざまざと見せつけられる気がするから
なのです。
例えるなら、
「にわとり」になることを目指している「ひよこ」は、「卵」を見たくない
わけです。
(※ちなみに、相手に自分を重ねて見ることを、心理学用語で「投影」と言います。)
さらに言えば、私たちの多くは、
・汚い金儲けをする人
・いろいろと相手を替えては遊び回っている人
を憎らしく思います。
これはなぜかと言うと、自分もそうしたいと思っているにもかかわらず、その願望を抑えているからです。
そして、人は、そんな汚い(?)自分に気付きたくないから、
などといった“道義的”嫌悪にすり替えます。
ですから、あなたが思う“嫌な人”のパターンには、
私だってそれしたいのに、我慢してんのよ!
それを何であんた、しっかりやっちゃってんのよ!
という「嫉妬」にも似た気持ちを感じている“嫌な人”もいます。
「嫉妬」と「憧れ」は紙一重。
心の奥を覗き込めば、あなたが嫌な人だと思っているあの人に、どこかで「憧れ」の気持ちを持っていても不思議ではありません。
(……どうでしょうか?胸に手を当てて考えてみてください。)
なぜ意地悪してくるのか?
こうして分析してみると、“嫌な人”がどうしてあなたに意地悪してくることが多いのかについても、説明がつきます。
あちらも、あなたのことが何となく”嫌な人”なわけです。
そして、あなたに対する「嫉妬」と「憧れ」の混じった“モヤモヤした感情”があります。
なぜ心の中で思っているだけでなく、意地悪という行為で、わざわざそれを発現してくるのかと言うと、それは、
あなたより立場が“上”であることを証明するため
です。
「嫉妬」も「憧れ」も打ち消し、自分の“モヤモヤした感情”を処理するためには、上から押しつぶしてしまうのが一番手っ取り早いのです。
意地悪行為によって、自分が完全に上に立ってしまえば、自分の自信が持てない部分や未熟な部分を、覆い隠してしまうことができます。
要するに、弱い自分と向き合わずに済むのです。
……まったく、ズルイ人たちです。
“嫌な人”が教えてくれること
ここまでで、以下のようなことが分かりました。
では最後に、「じゃあ、どうすればいいのか?」という最大の問題について考えていきましょう。
“嫌な人”について、
と考えても、自分自身の心が深く関わっている問題なので、解決に近づくことは、ほぼありえません。(そもそもの、好き・嫌いの感覚自体、自分の潜在意識に関係しているわけですから。)
ですから、ちょっと遠回りして考えましょう。
お釈迦様の言葉に、『すべてがあなたにちょうどいい』という言葉があります。
自分の弱さと向き合うことから逃げ、あなたに意地悪をしてくる“嫌な人”は、まだまだ修行の足りないあなたにとっては、“ちょうどよい”存在と言えなくもありません。
ですが、
というのが、あなたの言い分だと思います。
ですから、こう言いましょう。
あなたに意地悪をしてくる“嫌な人”は、人格レベルが低いです。
人格レベルが高いあなたにとっては、その人と関わり続けることは、“ちょうどよくない”かも知れません。
ですからあなたは、あなたにとって“ちょうどよいところ”へ、飛び出す必要があるかも知れません。
それを、あの人は、あなたに教えているのです。
したがって、
と言えなくもありません。
……いかがでしょうか?
ちょっと裏ワザ的な対処法となりましたが、こういった考え方を知って、その上でどうするか・どう動くかは、あくまでもあなた次第です。