
不倫の悩みに苦しむ人は多くいても、「W不倫」となると、なぜか罪悪感の薄い人が多いようです。
ここでは、
人がW不倫に走る理由と、
その大きなリスク
について解説します。
なぜW不倫に走る人がいるのか?
通常の不倫(一方が既婚者で、他方が未婚者の不倫)は、未婚者側が、既婚者側に離婚を迫るようになって、トラブルに発展する可能性があります。
しかし、
「W不倫」は、たとえ不倫関係を終わらせることになっても、お互いが不倫の事実をなかったことにして、元の家庭に戻ることもできます。
したがって、
といったメリットから、安易に「W不倫」に走るカップルがいるのだと考えられます。
W不倫は大人の関係?
時に、この『割り切った関係』を「大人の関係」と言ったりもします。
これは通常の不倫でも使われる言葉ですが、ざっくり言うと、「相手のプライベートに踏み込み過ぎない関係」ということです。
用があるのは「体」だけ、というわけです。
しかし、片や、「お金」だけに用がある場合は、不思議と「割り切った関係」という言葉は使いません。
やはり、それプラス「肉体関係」が伴った時に初めて、「割り切った関係」および「大人の関係」と言えるでしょう。
何かと、肉体を駆使したり、弄んだりするのが、果たして、“大人”なんでしょうか?
……ちょっと脱線しましたが、続けます。
W不倫はリスク倍増の覚悟が必要!
一見すると、リスクが少ないように見えるW不倫ですが、バレてしまうと、実は、そのリスクは、“通常の不倫の2倍”あることを忘れてはなりません。
なぜか?
「不倫相手の配偶者」と「自身の配偶者」という2人から責められることになるからです。
……当たり前ですね。
「不倫相手の配偶者」からは、不法行為に基づく損害賠償を請求される可能性があります。
(不倫は刑事罰を受ける犯罪ではないものの、法律に違反する、立派な違法行為です。)
そして、「自身の配偶者」からも、離婚を突きつけられ、おまけに慰謝料や養育費を払わされる羽目になるかも知れません。
また、自身が離婚に至らず、不倫相手のみが離婚に至った場合は、その相手から、
と迫られる可能性もあるでしょう。
双方が既婚者であるのが、大人の関係でい続けられるメリットだと思っていたのが、バレてしまうと、一転して、大きな足かせとなってしまうのです。
とは言え、W不倫の場合、
「不倫に至る前にすでに夫婦関係が破綻していた」
というケースも少なくありません。
この場合は、配偶者の不倫相手に、不法行為の慰謝料を請求できないこともあります。
ですから、
もし、あなたがW不倫をするなら、
相手の夫婦関係が「破綻状態」であったことを裏付ける証拠を残しておく必要があります。
それは例えば、夫婦がすでに別居状態にあったとか、同居していても長年、言葉すら交わしていなかった、などです。
しかし、こうした破綻状態を具体的に証明するのは難しいのが現実です……。
「恋のときめき」と「子供の幸せ」どっちが大事?
慰謝料請求について、もう少し詳しく解説しておくと、
不法行為による損害賠償請求権は、配偶者の不倫相手を知ってから、3年以内に行使しないと消滅してしまいます。
例えば、配偶者と喧嘩をした腹いせに、
と言ったところで、それが4〜5年前の話だった場合は、請求しようったってできないのです。
(『3年目の浮気』という歌がありますが、法律的な観点から言えば、「3年以上前の浮気は無罪」なのです。)
ついでに、
「離婚の際の問題となる養育費の相場」
についても触れておきましょう。
近年の司法統計によると、子1人の場合の養育費の月額は、2〜4万円が約半数を占めており、平均額は月3万円ほどと考えていいでしょう。
こうした金額を、元配偶者に対して、子が成人になるまで払っていかなくてはなりません。
ちなみに、
離婚後の、実子との面会交流について、民法では、「子の利益を最も優先して考慮しなくてはならない」とされています。
例えば、月に一回のペースで子に会えることになっていたとしても、同居親のほうが「子自身が会いたがっていない」と理由をつければ、わりあい簡単に、会わせずに済んでしまいます。
そのため、現実には離婚の際に取り決めたはずの面会交流が、約束通りに実行されないケースは多くあるのが現実です。
――以上のことから見ても、
子供がいる場合の離婚は、おそらく、当人が思っている以上に、負担や苦しみが、数多くあることでしょう。
いや何より、両親の離婚は、自分の愛する子供の心に、一生癒えることのない大きな心の傷を負わせてしまうことは、間違いありません。
果たして、あなたのその
「恋のときめきとスリルから来る喜び」と、
「子供の幸せ」
を天秤にかけた時、あなたの心はどう動くでしょうか?
よ〜く考えてみたほうがよいかもしれません……。